Kazyのバイク日記

【ドラッグスター400整備】フロントフォークOH完全ガイド

今回は、ドラッグスター400の整備紹介として、フロントフォークのオーバーホールを紹介します。

 みなさん。こんにちは、こんばんわ。

 Kazyです。

 突然ですが、おひとつ質問です。

「愛車の整備、ちゃんとされていますか?」

 私の愛車はドラッグスター400というヤマハのバイクなのですが、以前は同じくヤマハのルネッサというバイクに乗っていました。

 ルネッサは250ccで、車検がないため、自分で整備して日頃からメンテナンスを行なっていました。

 ドラッグスター400はというと、車検があるとはいえ、日常的なメンテナンスが必要になってきます。

 例えば、プラグの効果やエンジンオイルの交換、摺動性が重要な部品のグリスの注油など、さまざまなものがあります。

 がしかし、これらのメンテンアンスは自分でできはするのですが、しっかりとした知識がないとできません。

 今回は、ドラッグスター400のメンテナンスとして、フロントフォークのOHについて事細かに紹介します。

 ドラッグスター400だからこそ注意すべき点や、専用工具の代わりとなるものを紹介していきます。


~ 本記事のコンテンツ ~


フロントフォークのOHを自分で行うメリット

  まず1節目はフロントフォークのOHを自分で行うメリットです。

 なぜ、フロントフォークのOHを自分で行うのか、行うとどのようなメリットが得られるのかを紹介します。

 今回は、下記の点について触れていきます。

  • 技術的なスキルの向上が期待できる
  • 経済的なメリットが得られる
  • 愛車への理解と満足感を体感できる

 それでは一つ一つ紹介していきます。

技術的なスキルの向上が期待できる

自分で行うことで、やはり自身の技術力は向上します!

 1つ目は技術的な側面です。

 自分でドラッグスター400のフロントフォークのオーバーホール(OH)を行うことで、バイクのメカニズムについて学び、整備技術を磨くことができます。

 これは、将来的にその他バイクや他の機器のメンテナンスや修理を自分で行う際にも役立ちます。

 オイルシールの打ち方や、専用工具を使わずとも整備ができるという知見を得ることができるでしょう。

 自分で問題を診断し、解決策を見つける能力が身につき、バイクの挙動をより敏感に感じ取ることができるようになることが最大のメリットと言えるでしょう。

経済的なメリットが得られる

言わずもがな、自分で整備を行うことで、整備工賃を削減することができます。

 2つ目は経済的な側面です。

 専門のショップに依頼するよりもコストを抑えることができるというメリットがあります。

 自分で作業を行うことで、愛車の状態を細かくチェックし、小さな異常にも気づきやすくなります。

 これにより、バイクのコンディションを常に最適な状態に保つことができ、安全性を高めることにも繋がるでしょう。

 また、整備にかかる時間を自分でコントロールできるため、忙しい日々の中でも整備を行うことが可能です。

 経済的側面はもちろん、時間的にもコストパフォーマンスが良いのは、大切なメリットですね、

愛車への理解と満足感

やはり、自分で整備を行うことで、愛車のことがさらに好きになります。

 3つ目は愛車への理解を深めることができるということです。

 もちろんのことなのですが、自分でOHを行うことで必要な工具や部品についての知識も深まります。

 これは、自分だけのカスタマイズや、バイクのパフォーマンス向上にも役立つ知識です。

 それに加えて、自分でOHを完了させた時の達成感は、何物にも代えがたいものがあります。

 自分の手で愛車をメンテナンスし、その結果としてスムーズな走りを実感できることは、バイクライフをより豊かなものにしてくれること、間違いありません。

 この経験は、バイクとの一体感を高め、より深い満足感をもたらします。

 愛車のある暮らしをより一層、愉しむことができるでしょう。

パーツ&工具の紹介

 次に2節目は実際に使うパーツと工具の紹介です。

 今回、紹介するパーツは以下のようになります。

  • 【ー】フォークオイル
  • 【18,36】Oリング
  • 【8,26】オイルシール
  • 【10,28】ダストシール
  • 【9,27】フォーククリップ
  • 【4,22】スライドメタル(インナー)
  • 【6,24】スライドメタル(アウター)
  • 【7,25】オイルワッシャー
  • 【12,30】ドレンワッシャー

 それでは一つ一つ紹介していきます。

 注意点や交換必須の有無とは、このセクションの最後に掲載しています。→リンク

フォークオイル

フォークオイルはヤマハの純正のものを使用します。

 まずは、フォークオイルから。

 フォークオイルは、ヤマハから純正の製品が販売されています。

 WebikeやAmazonなどのECサイトで購入できるほか、純正品なのでライコランドやナップスなどのショップでも購入できます。

 今回使用するのは、約1Lなので持ち運びが少々面倒なことから、私はAmazonで購入しました。

 ドラッグスター400の純正の種類は、G-10になります。

 足回りを硬めのセッティングにしたいのであれば、G-15を選択するのも一つの手法です。

 自身が好きなセッティングを選択して購入しましょう。

 商品リンクはこちらに貼っておきますので、リンクの先から購入してください。

Oリング

トップキャップのOリングは使い回しが不可能なので、必ず交換しましょう。

 2つ目は、トップキャップに装着するOリングです。

 特に、こちらのOリングについては使い回しが不可なので、新品に交換する必要があります。

 また、よくYamaha純正以外のOリングを使っている方もいらっしゃいますが、あまり良くはないです。

 Oリングは耐油性二トリルゴムで作られているのですが、微妙にフォークオイルの成分が各社で異なるので、Oリングに正しい仕事をさせるためにも、Yamaha純正オイルを使うのであれば、Oリングも純正のものが良いでしょう。

 価格も純正が250円なので、そんなに高くはありません。(他社の製品の方が安いのはあるけど…)

 純正品を購入して、フロントフォークに優しい整備を行いましょう。

オイルシール

オイルシールは一番傷つきやすく、オイル漏れの原因となるパーツです。

 次は、オイルシールについてです。

 この部品は、フロントフォークのオイル漏れの原因として一番有名な箇所になります。

 今回、私のドラッグスターでこのパーツにて傷がついてしまい、オイル漏れが発生してしまいました。

 調べてみたところ、NTB社で作られているSuzukiと適合が合うものがドラッグスターにも使われていそうでした。

 こちらも、交換は必須となりますので、購入を行いましょう。

ダストシール

ダストシールはオイルシールに傷が付かないようにゴミの侵入を防ぐパーツです。

 さて、次に紹介するのは、ダストシールです。

 ダストシールはバイクが走行している時にフロントフォークへ付着したゴミをオイルシールが傷が付かないように防ぐパーツになります。

 こちらのパーツは、常に過酷な状態にて仕事をしているパーツなので、交換が推奨されます。

 特に、このパーツのインナーチューブと擦れる部分が傷ついているとインナーチューブとの隙間からオイルシールにゴミが侵入してしまいます。

 ゴミが入ると、最悪オイルシールに傷がつき、オイル漏れを発生させてしまう可能性があります。

 なので、なるべくならオーバーホールのタイミングで交換を行いましょう。

フォーククリップ

フォーククリップは使い回しが不可なので、交換を行いましょう。

 次に紹介するのが、フォーククリップです。

 フォーククリップはアウターチューブにオイルシールを固定させるものになります。

 名前の通り、クリップ上なのですが、一度取り外しを行う時に少々曲げ流必要があるので、使い回しが非推奨なパーツです。

 こちらに関しては、一つあたりの金額もそんなに高くはないので、新品を購入しましょう。

スライドメタル(アウター)

スライドメタルのアウターはインナーチューブと擦れる部分になるので、注意して観察しましょう。

 次に紹介するのが、アウターチューブ側に装着するスライドメタルです。

 こちらのパーツは、内側にテフロンでコーティングがされており、インナーチューブと擦れた時に傷がつきにくいようになっています。

 なので、もし少しでも傷がついていた場合は交換をしましょう。

スライドメタル(インナー)

 次に紹介するのが、インナーチューブ側に装着するスライドメタルです。

 こちらもアウターチューブ側と同様にテフロンでコーティングがされているので、交換はなるべく行なっていきましょう。

 ただし、パーツが思いのほか値段が高いので、交換する気が乗らないのもありますね…!

オイルワッシャー

スライドメタルが傷んでいるとこのパーツも傷んでいる可能性があります。

 次に紹介するのが、こちらのオイルワッシャーです。

 このパーツはインナーのスライドメタルが実際に動く範囲を限定させるためのパーツになります。

 中古車あるあるなのですが、昔のオーナーさんがアウターのスライドメタルを抉った時に傷がついてしまったということがありますね。

 私の場合はスライドメタル側ではないオイルシール側の面に傷があったので、交換をしました。

 オイルワッシャーは適宜様子を見てみて交換するか否かを判断しましょう。

ドレンワッシャー

ドレンワッシャーは交換が必須のものになってきます。

 最後に、ドレンワッシャーになります。

 こちらは、アウターチューブの下部にドレンボルトからのオイル漏れを防ぐために装着するものになります。

 仕事として、締め付ける際にドレンワッシャーが潰れ、パッキンのような役割を持っているので、再利用が不可のものになります。

 必ず交換を行い、ドレンボルトからのオイル漏れを防ぎましょう。

パーツ一覧

部品名型式価格必須の有無
フォークオイルYAMALUBE G-10¥1,600必須
Oリング43F-23188-10¥250必須
オイルシール51153-10G50¥720必須
ダストシール4EB-23144-00¥1,463必須
フォーククリップ26H-23156-00¥319必須
スライドメタル(アウター)4FM-23125-40¥1,639
スライドメタル(インナー)4FM-23171-40¥2,123
オイルワッシャー36Y-23146-10¥593
ドレンワッシャー509-23158-L0¥275必須

実際の整備方法

 次に3節目は実際の整備方法の紹介です。

 ドラッグスター400のフロントフォークのOHでの注意点や、特殊工具の代わりとなるものを紹介していきます。

全てを分解する

まずはフロントフォークを分解していきます、

 さて、まず行うのは、全てを分解することになります。

<手順>

①先ず、車体にフロントフォークがついている状態で、上部のトップキャップを緩める。

②フロントフォークを車体から外す。

③中のオイルを先に出し、しばらくオイルが出る方向にフロントフォークを立てかけておき、オイルが出なくなったら中の部品を摘出する。

④特殊工具(※1)を用いて、空回りを防ぎながら、下部のドレンボルトを外す。

⑤分解が終了。各パーツをパーツクリーナーで洗浄し、次の工程に進む。

<特殊工具(※1)の作り方>

 フロントフォークのインナーチューブが純正品と非純正品で内径が異なり、作成するものが違うので、先ずは純正品か否かを判別してください。

①非純正品インナーチューブの場合:(27mmソケット&二面幅27mmのM18高ナット)or 純正品インナーチューブの場合:(26mmソケット&二面幅26mmのW5/8高ナット)を購入する。

②それぞれを組み合わせて、エクステンションバーと組み合わせて特殊工具とする。

部品の点検を行う

次に分解したパーツをそれぞれ点検を行い、摩耗の具合を観察します。

 分解を行った後は、一つ一つ点検を行い、摩耗の具合をすることが大切になってきます。

 特に、摩耗がどうしても起きてしまう箇所は、インナー&アウタースライドメタルとオイルシールです。

 これらの部品は、フロントフォークが仕事をする上ですり減りが生じてしまう箇所になります。

 これらの部品は交換することを前提に、OHを進めるのが良いでしょう。(当たり前ですが、Oリングは全て交換しましょう。)

部品の組み立てを行う

最後にパーツを揃えた後に組み立てを行います、

 最後に組み立てを行います。

組み込みの時はフォークオイルに漬かせる

 組み立てる際は、分解を行った逆の手順で行えば良いのですが、一点注意点があります。

 その注意点というのは、組み付ける際にそれぞれのパーツをフォークオイルに浸して組み立てを行うということです。

 オイルに浸す理由としては、各パーツやシールの損傷を防ぎ、初期動作を安定させることができるからです。

アウターチューブのスライドメタルには塩ビパイプを用いる

 アウターチューブのスライドメタルとオイルシールの打ち付けには塩ビパイプを使用しましょう。

 シールを打ち付ける専用工具があればそちらを使用すれば良いのですが、もし持っていない場合はVU40を用いましょう。

 ちょうどインナーチューブの径と相性が良く、打ち付けやすいです。

 上から被せてハンマーでコンコンと優しく打ち付けましょう。

締め付けトルクに気をつける

 そのほかには、締め付けトルクに気をつけましょう。

 サービスマニュアルには記載があるのですが、下部のドレンボルトは30N•m、上部のトップキャップは23N•mで締め付けましょう。

 特に、下部のドレンボルトは”ねじロック剤”を使う必要があるので、その点だけ注意しましょう。

 私はよく”ロックタイト”というねじロック剤を使用しています。

 適切なトルクで締め、適切な方法で組み上げることを念頭にフロントフォークの組みつけを行いましょう。

まとめ

 いかがだったでしょうか?

 フロントフォークのOHに関してはかなり難易度が高いメンテナンスと言われています。

 がしかし、実際はそこまで難易度が高いわけではないことがわかったと思います。

 費用に関しても、故障した後にレッカーを行うのに加えてバイク屋で修理する方がよっぽど費用と手間がかかります。

 定期的にOHを行うことで、故障を予防することができ、事故を未然に防ぐこともできます。

 今回公開した「フロントフォークOH完全ガイド」を参考にして、愛車のある暮らしを愉しまれてくださいね。

 ご安全にバイカー生活を楽しみましょう。

【Kazyの日常】管理・運営人
Kazy・かじー

 クリエイティブな事が好きなITエンジニア。

 2020年にトロント🇨🇦に1年間語学留学したのち、日本と海外の情報格差を認知。

 50年後に生きる情報を発信しようと決意。

 2020年10月にブログ『Kazyの日常。〜Having a Better Life〜』を開設。

 2024年現在で4年目のブロガーとなり、通算530,000PVのブログとなりました。

 好きなバイク・DIY・カフェ・自己啓発などを主に執筆。

 多数のコメントをいただきながら、楽しく毎週執筆をさせていただいております。

 皆様のコメントやDM、お待ちしています。

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