「蓋を開けるまでは真実がどうなているのかどうかわからない。」
みなさんはシュレディンガーの猫という量子力学で有名な考え方を知っているだろうか。
量子力学の世界では、原子が崩壊し放射線を放出している状態と、安定している状態の2つの現象が重なり合い、その状態は人間が観察するまでは確定しないという考えが存在する。
全ての原子の状態は、原子が崩壊し放射線を出す50%の状態と、放射線を出さず安定する50%の状態からから成り立つという。
がしかし、この2つの状態は重なり合っている。
実際に観察するまではどういう状態なのかが検討が全くつかないのだ。
この不確実性の状態を上手に現実世界の状況で説明する事ができる方法が「シュレディンガーの猫」という。
では、なぜシュレディンガーの猫という言い方をするのか。
これは、少々残酷な実験が物語るお話。
ある大きな箱には瓶に入った青酸カリという猛毒があり、小さな箱に入った少量の放射線物質がある。
それに加えて、放射性物質が放射線を放出すると青酸カリ入りの瓶が割れ、箱の中に猛毒のガスが充満する装置が置かれる。
実験の内容としては、箱の中に以上の物質と装置、あとは1匹の猫を入れ、1時間放置するという実験。
もし仮に、1時間後に放射線物質が放射線を放出していた場合、猛毒入りの瓶は割れ、猫は死んだ状態で人間は観察することになる。
それとは逆に、1時間後に放射線物質が放射線を放出していなかった場合、猫は生きている。
さて、この実験開始から1時間後の猫の生死はどうなっているのだろうか。
結論としては「開けてみて人間が観察するまではどういう状態なのかわからない」という。
この実験から、原子がどのような状態になっているのか観察するまではわからない不確実性が実証される。
猫の生死で原子の状態を図るという少々残酷な実験なのだ。
私はよく作り置きとして、無水カレーという水を加えないカレーを作る。
無水カレーを作った事がある人はわかると思うが、作る方法は無水鍋の中に具材を入れ、お野菜やお肉の水分だけでカレーを作る手法を取る。
無水調理鍋を使って調理する際、中の水分を密閉する必要があるため、蓋は重たく、かつ開けることはほぼない。
初めに玉ねぎと人参を炒め、その後お肉というの外の食材を入れ、蓋を閉めてひたすら弱火で煮込むだけなのだ。
お肉や野菜、調理する上で注意すべきなのは「調理され火が通っている状態と、まだ調理が足りない状態」の二極化される。
その状態を確認する方法は、実際に鍋の蓋を開けてみてどうなのかを見るしかない。
外側からは何も状態が変わっておらず、中でひたすら加熱調理がなされているという状態なのだ。
15分に一回確認してかき混ぜ、また15分後に確認してかき混ぜ、最終的に水分でヒタヒタになってカレールーを加えて完成だ。
私はよくこのことを「シュレディンガーのカレー」と思っている。
実際に蓋を開けてみないと調理が十分なのかがわからないからだ。
観察できそうで中を見た瞬間に蒸気が逃げてしまうため、あまり良くはない。
そうして、調理が正しくできていて、旨味の汁が溶け出している時、幸せに思える。
観察ができないという能動的な思考のもと、中のカレーがどの状態まで加熱調理されているのかを予想するしかない。
この状況こそ、シュレディンガーの猫とかなり近い状態の時間だと思っている。
猫が好きという私の性格もあるのだが、もしかすると、このドキドキが無水カレーを愛している理由なのかもしれない。
実際に、お野菜やお肉の旨みが溶け出したカレーが舌に届いたとき、幸せを感じる。
猫と同等くらいに無水カレーが大好きだ。
美味しい食べ物を食べられている幸せと、生きているという実感を味わう。
遠い実家の愛猫に会いたいとひたすら思えるように生きてられるからこそ、この思考に至るのかもしれない。
クリエイティブな事が好きなITエンジニア。
2020年にトロント🇨🇦に1年間語学留学したのち、日本と海外の情報格差を認知。
50年後に生きる情報を発信しようと決意。
2020年10月にブログ『Kazyの日常。〜Having a Better Life〜』を開設。
2024年現在で4年目のブロガーとなり、通算530,000PVのブログとなりました。
好きなバイク・DIY・カフェ・自己啓発などを主に執筆。
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